1日に何度も業務報告を求められる
メールを送るにも「この文書はこう変えて」と細かく干渉する上司
あなたの周りにいませんか。
上司本人は真面目で心配の気持ちからの行動かもしれませんが、時に人間関係のトラブルにもなりかねません。
今回はそんな「マイクロマネジメント」についてご紹介します。
マイクロマネジメントとは
マイクロマネジメントとは、上司が部下や新人の行動を細かく管理し、過干渉してしまうマネジメントのことです。
具体的な例として、
・業務の進捗や今後の流れについて頻繁に細かく報告を求める
・電話のかけ方、メールの文面について細かく確認し指摘する
・会議での発言や普段の仕事の様子に対して細かく指摘する
などがあげられます。
マイクロマネジメントとをしてしまう理由
①自分の仕事の仕事の進め方に自信がある
マイクロマネジメントの1つ目の理由としては、自分の仕事のやり方に自信があるという点です。
部下から信頼や尊敬されたいという気持ちからマイクロマネジメントしやすいといわれています。
・自分のやり方を強要する
・服装・持ち物などに指摘をする
自己顕示欲を理由にマイクロマネジメントをしている場合は、自分のやり方が正しいと思い込み、
その方法を部下に強要しているケースが多くあります。
②部下に仕事を任せられない
2つ目の理由としては、不安です。
上司としての立場上、部下への管理監督責任があるため責任を問われたり助けたりする必要が生じます。
「部下のミスが原因で自分の評価も下がってしまうのではないか」
「部下に大きな失敗をさせたくない」
こういった思いから常に状況を細かく管理したいと考えるケースも見られます。
・状況確認をしつこく頻繁に行う
・メールを常に自分をCCに追加するように追及する
どちらも、ミスを防ぐために細かな進捗状況や部下の行動を見張っている行動です。
③マネジメントのやり方を知らない
マイクロマネジメントを行う人は、その行為に無自覚なことが多いのも現状です。
むしろ、熱意をもって部下の教育をしていると捉えている場合もあります。
マイクロマネジメントをしているという意識がないため、部下や周囲の影響に気付くことができないのです。
マイクロマネジメントが与える影響
①パフォーマンスの低下
マイクロマネジメントによる大きな弊害となるのが、職場のパフォーマンス低下です。
上司が部下に対して細かく口出しすると、部下は全てその指示通り仕事を進めることになるでしょう。
しかし、 思うように部下を動かせたら問題ありませんが現実はそう簡単ではありません。
部下の能力にも限界があり、全ての指示通り業務を遂行することが難しい
上司の能力にも限界があるため、指示が全て正しいとは限らない
その結果、マイクロマネジメントは部下の長所を打ち消し、やる気を削いでしまうのです。
実際私自身も、メールを1通送れば指摘が入り、指示通り動いて思い通りの結果でなければ原因を追究される。
どのように動いても指摘される毎日にどう動いてよいのか分からなくなったのです。
上司からは「何で仕事のパフォーマンスがあがらないのか」と問われた時はマイクロマネジメントに気付かず答えられなかった私。
自分の行動を止めているものが「細かな指摘」「細かなスケジュール管理」と気づいた時マイクロマネジメントの影響だと気づいたのでした。
②部下のスキルアップの妨げとなる
マイクロマネジメントは短期的目線であると場合によっては大きな問題として捉えにくいかもしれません。
しかし、長期的視点で捉えると人材育成の妨害へと繫がり、企業にとっても大きなリスクと発展します。
なぜなら、マイクロマネジメントは部下の自主性を奪ってしまうためです。
細かく上司が指摘することで、部下は次第に自分の頭で考えることをやめてしまいます。
そうすることで、指示通りに仕事をすることしかできなくなってしまいます。
その結果、自分のアイデアによる成功や失敗の経験の機会を失い、部下のキャリア形成に影響を及ぼします。
マイクロマネジメントの対策
マイクロマネジメントを防ぐには、上司の意識を変えたり企業が環境を見直したりする取り組みが必要です。
【上司ができる対策】
①オープンクエスチョンで質問する
部下に質問をする時、オープンクエスチョンを使うことも良い方法です。
オープンクエスチョンとは、イエス・ノーで回答できない質問をいいます。
自由な回答を求めるため、部下自身が頭を使って考えるようになり、その結果部下の成長につながります。
また、オープンクエスチョンによって部下の考えを知ることができます。
過干渉せずにミスをしそうなことに気付くこともできるため、積極的にオープンクエスチョンを活用しましょう。
②「これくらいの仕事はできて当たり前」という思い込みをなくす
「これくらいの仕事はできて当たり前」
「自分はできるから部下もできるのは当たり前」
こういった理由で部下を厳しく追及することは、モチベーション低下につながります。
苦手なことであれば少しでも成長できる機会を与え、得意なことは更に伸ばせるよう一人ひとりに寄り添ったマネジメントが大切です。
③報告のタイミングを決める
あらかじめ報告のルールを決めておけば、進捗状況を細かく確認する必要もありません。
安心して仕事を任せられ、過干渉も避けやすくなるでしょう。
【部下ができること】
①一人で仕事ができるようになる
マイクロマネジメントをする上司の特徴としては、任せられない不安があります。
仕事を覚えるまでは我慢して受け入れつつも、自分が一人仕事をできるようになることです。
②実績を積む
特に自己顕示欲が強い上司の場合、自分のやり方に絶対的自信をもっていることがあります。
そのためある程度仕事ができるようになったら、自分のアイデアを出し実績を作ること。
全うな考えやアイデアを出すことで少しずつ自由を獲得していけるようになります。
いかがでしたか。
今回はマイクロマネジメントの概要や及ぼす影響、対処法について紹介しました。
社員の育成や定着において社内コミュニケーションやエンゲージメント向上はとても重要です。
また、マイクロマネジメントに苦しんでいた過去の私は、「とにかく仕事を覚える」それに徹しました。
できることをやることは大切ですが、健康が何より大切
心や身体のバランスを保つことが難しい場合は、堂々と離れることもひとつの方法です。
職場の人間関係を改善したいという方はプロに頼ることも1つの方法ですよ。
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