私は、子どもたちを1歳から予防歯科に通わせています。
「歯への意識が高い」と思われるかもしれません。
むしろ、逆です!!
私自身が、歯の治療で苦労してきたからです。
子どもの頃の私にとって、歯医者は「虫歯になったら行くところ」
虫歯になったら削って、詰めて、治療が終われば終了。
私もずっと「虫歯は治療したら終わり」だと思っていました。
ところが大人になり、たった1本の歯に30万以上のお金がかかる経験をします。
始まりは詰め物が取れたでした。
「詰め物が取れただけ」から始まった
昼食の時に、歯の詰め物が取れた。
自費治療の詰め物が取れると大きな出費となるためそれだけでかなり「ダメージ」です。
ところが診てもらうと
「根のところに影があるので、根の治療をやり直したほうがいい」
と言われます。
そこで聞かれたのが
「保険にしますか?自費にしますか?」
突然の選択肢に、当時の私は違いが分かりませんでした。
何が違うのか。
自分の場合どちらが適しているのか。
よく分からず「保険でできるなら」と保険資料を選びました。
しかし、そこからなんども通院することになるのです。
「隔壁を作るため」と、一部自費治療になることもありました。
何度か治療が必要なのですが、予約枠がないとのことで
次回予約は数ヶ月後。
「この治療、いつ終わるんだろう?」
歯科治療は自分では見えません。
だから患者は、先生を信じて治療を受けるしかないのです。
知らないうちにファイルが折れていた

そんなある日、歯科検診のため別の歯科医院へ行きました。
そこで、
「根の中にファイルが残っています」
と指摘されたのです。
根幹治療に使う細い器具一部が、歯の中で破損していたのです。
私は、そのとき初めて知りました。
同時に破折したファイル除去は何度が高く専門医を紹介されました。
治療を受けていた医院へ確認すると、
ファイル破折したこと自体は認められましたが、
「そのままで問題ない、どうしても治療が必要であれば自院であれば対応します」
とのことでした。
根幹治療中の器具破折自体は、治療中に起こりえる偶発症です。
その中で私が怖かったのは、
自分の歯の中で何が起きているのか、自分が知らなかったことです。
しかも20年近く通っていた歯科医院でした。
この出来事を
「どこの歯医者で治療を受けるかって、ものすごく重要なのでは?」
と初めて真剣に考えるようになりました。
歯医者は見えない。だからHPと口コミを必死にみた
検診を受けた医院から紹介を受けた根幹治療を専門的に扱う歯科医師を紹介してもらいました。
ただ、一度不安を感じた私はHPや口コミなどいくつかの歯科医院も同時に確認しました。
患者は治療技術を事前に判断できない
ホームページを見る。
先生の経歴や専門性を見る。
治療方法を見る
そしてGoogleの口コミを読みました。
患者には、治療技術をのものを判断することはできません
根幹の中を見ることもできない。
だからWEBにある情報
「どこなら自分の歯が治るのだろうか、残せるのだろうか」
という判断材料を探しました。
結果、紹介された専門医で無事ファイルを除去してもらうことができました。
ところが、そこでさらに知らなかったことが分かります。
歯に穴が開いていたのです。
これも私は、それまで知りませんでした。
1本の歯に30万以上「治したら元通り」ではなかった。

専門医での治療には約20万円。
それだけでなく1回の治療は約2時間。
さらに、その後の詰め物なども必要になり、結果として1本の歯に30万以上のお金が動きました。
そしてその期間も10ヶ月。
もちろん、これは私個人のケースです。
根幹治療をすれば30万円かかるという意味ではありません
歯の状態や治療内容、保険・自費の選択、医院によって費用は異なります。
始まりは、たった1本の虫歯だったんだよな。
そして調べてみると「一度治療した歯がそのまま一生問題なく使えるとは限らない」ことは、研究からも見えてきます。
治療した歯が、再び治療対象になることもある
国内の一般歯科医院で95人・649歯の修復物を調べた研究では、推定10年生存率は、
メタルインレー:67.5%
コンポジットレジン:60.4%
メタルクラウン:55.8%
でした。
さらに再治療の原因として二次う蝕が多く、
コンポジットレジンでは78.2%、メタルインレーでは72.4%を占めていました。
※1991年~2005年に治療した症例を対象とした研究であり、現在材料や治療技術と同一条件ではありません。また、この数字は「10年以内に必ず再治療になる」という意味ではありません。
別の国内調査では、再治療または抜歯が必要と判断された3,120歯について、既存修復物の平均使用年数はレジン5.2年、インレー5.4年、鋳造冠7.1年、アマルガム7.4年でした。レジン、インレー、アマルガムでは、二次う蝕を理由とした再治療が多くみられています。
修復を繰り返すほど、元の歯に戻るわけではない
FDI(世界歯科連盟)も、修復物を交換する際には健全な歯質まで失われ、窩洞が大きくなり、修復治療のサイクルを加速させる可能性があるとしています。
もちろん、一度虫歯になった歯が必ず悪化するわけではありません。
ただ
「治療した=虫歯になる前の歯に戻った」
ではない。
これは、もっと早く知っておきたかったことでした。
だから私は「治療」ではなく「予防」にお金と時間を使う
もし、あの1本が虫歯になる前に戻れるなら
高額な治療費。
何度もの通院
治療に使った時間。
そして「この歯は大丈夫なのかな」という不安。
それを経験した今なら、
何も起きていない歯を守るために、お金と時間を使う意味。
がよく分かります。
だから私は、子どもたちを小さい頃から予防歯科へ連れて行っています。
今のところ、2人とも虫歯ゼロです。
それでも、
「虫歯になったら治す」の前にできることがある。
自分が治療を繰り返してきたからこそ、私はそこに価値を感じています。
その「予防の価値」WEBで伝わっていますか?
ここからは、歯科医院を経営されている方にも考えていただきたいことがあります。
私は30万以上の治療を経験した今なら、
「何も起きていない歯にお金を使う価値」
が分かります。
しかし、まだ痛くない患者さんはどうでしょうか。
予防は「何も起きなかったこと」が成果
治療なら
痛かった → 痛くなくなった
という分かりやすい変化があります。
一方、予防の成果は、
虫歯にならなかった。
大きな治療をしなかった。
健康な状態を維持できた。
という「何も起きなかったこと」です。
だからこそ、
「予防歯科に力を入れています」
だけでは、その価値が患者さんに十分伝わらないかもしれません。
治療が必要になったときだけ来院する患者さんから、健康な状態を守るために継続して通う患者さんへ。
それは患者さんにとっては、健康な歯を守ること。
医院にとっても、患者さんと長く関係を築くことにつながります。
患者はGoogleマップとHPで「信頼できる理由」を探している

私自身、専門医を選ぶときにはGoogleの口コミとホームページを確認しました。
歯科治療は、患者からは見えない。
だからこそ患者はWEBで、
「どんな先生なのか」
「何を大切にしているのか」
「どんな専門性があるのか」
「実際の患者さんはどう感じているのか」
を確認し、
「ここなら任せられそう」
という材料を探します。
Googleマップで知ってもらい、ホームページで医院の考え方や価値を理解してもらう。
「予防歯科があります」と伝えるだけではなく、
なぜ、何も起きていない今から通う価値があるのか。
そこなまでつたえられれば、治療が必要になったときだけではなく、
健康なときから選ばれる歯科医院に近づくのではないでしょうか。
あなたの医院が大切にしている「予防の価値」は、Googleマップとホームページから患者さんに伝わっていますか?
